
Apple の技術仕様のページには、iPad mini(A20 Pro)のセルラーモデルについて「物理的なSIMカードには非対応」と書かれています。これは中国本土を含め、どの国で買っても変わりません。Wi-Fi モデル(A3595)はモバイル通信に対応していないので、SIM カードも eSIM も使えません。Apple が 2026 年に出した 8 代目の iPad mini なので、多くの人が「iPad mini 第8世代」と呼んでいます。
10 月 26 日に Apple が発表したこと
Apple は 2026 年 10 月 26 日に iPad mini(A20 Pro)を発表しました。予約は 10 月 28 日に始まり、発売は 11 月 6 日です。8.5 インチの OLED ディスプレイと A20 Pro チップを搭載し、耐水・防塵性能は IP67 等級で、ストレージは 128 GB、256 GB、512 GB の 3 種類です。アメリカでは Wi-Fi モデルが 699ドルから、Wi-Fi + Cellular モデルが 849ドルからで、セルラーモデルは 150ドル高くなります。
セルラーモデルは Apple の C2 モデムを搭載し、5G に対応しています。Apple によると、モバイル通信の速度は先代の iPad mini より最大 50% 速くなっています。

SIM トレイがある iPad mini
| iPad mini | 発売年 | セルラーモデル |
|---|---|---|
| A20 Pro | 2026 | eSIM のみ |
| A17 Pro | 2024 | eSIM のみ |
| 第6世代 | 2021 | nano SIM トレイと eSIM |
| 第5世代 | 2019 | nano SIM トレイと eSIM |
トレイがなくなったのは 2024 年です。トレイのある最後の iPad mini は、2021 年の第6世代でした。
セルラーモデルは中国本土を除いてどこでも同じ
Apple が挙げているセルラーモデルは、A3596 と中国本土向けの A3597 の 2 つです。Apple の技術仕様のページを見ると、アメリカ、イギリス、シンガポール、日本、ドイツ、ブラジルのどれにも、A3596 が同じバンド構成で載っています。Apple のサポートページには「iPadのロックが解除されていれば、ほかの通信事業者が提供するeSIMも使うことができます」とあり、国内で買った mini に海外で旅行用 eSIM を入れられるのはこのためです。通信事業者で買った iPad にはその事業者の SIM ロックがかかっていることがあるので、出発前に問い合わせてください。
Apple は A3597 の購入者に China Unicom へ問い合わせるよう案内しています。中国本土で iPad の eSIM に対応する通信事業者として Apple が挙げているのは、China Unicom だけです。どちらのモデルにも、旅行で効いてくる制限があります。Apple によると、中国本土以外で購入した iPad には中国本土の通信事業者の eSIM プロファイルをインストールできないので、A3596 は中国で現地の eSIM を使えません。頼れるのは、契約中のプランのローミングか、出発前にインストールしておいた旅行用 eSIM です。A3597 の制限は、その逆です。Apple によると、A3597 は中国本土の外にいるときに中国国外の通信事業者の eSIM をインストールでき、その際は位置情報サービスを有効にしておく必要があります。そのため、A3597 を持って中国本土から出発するなら、旅行用 eSIM は中国本土を出てからインストールしてください。インストールするなら、空港の Wi-Fi よりホテルの Wi-Fi のほうが向いています。
旅行に向くのは Wi-Fi モデルかセルラーモデルか
Wi-Fi モデルは、Wi-Fi かスマホ経由でインターネットにつなぎます。eSIM は使えず、GPS もありません。Apple が GPS を記載しているのは Wi-Fi + Cellular モデルだけで、モバイル通信に対応していないデバイスは位置情報サービスに Wi-Fi しか使わないと説明しています。周りに Wi-Fi ネットワークがなければ、Wi-Fi モデルの mini には自分の居場所がわかりません。
セルラーモデルは、回線も GPS も自分で持っています。GPS にデータプランは要りません。Apple はこの iPad の GPS の精度を上げるために、「モバイルデータ通信のプランに加入していない場合でも」、「モバイルデータ通信」をオンにしておくよう勧めています。そのため、自宅でダウンロードしておいた地図でも現在地が表示されます。オフラインマップはデバイス間で同期されないので、iPad 本体でダウンロードしてください。それぞれのアプリがオフラインでどこまで使えるかは、海外で使うなら Apple マップか Google マップかで説明しています。
モバイルデータ通信で使うと、バッテリーの持ちは少し短くなります。Apple の公称値は、Wi-Fi でのインターネット利用が最大 10 時間、モバイルデータ通信ネットワークでの利用が最大 9 時間です。
mini を出すのが機内とホテルの部屋だけなら、Wi-Fi モデルとスマホのテザリングで足ります。ドライブ旅行やハイキングでナビ代わりに使うなら、GPS のためにセルラーモデルを買ってください。
セルラーモデルに電話番号はない
セルラーモデルの mini にできるのは、データ通信だけです。Apple の技術仕様のページには「データのみ」とあり、ユーザガイドにも、Wi-Fi + Cellular モデルは携帯電話サービスに対応していないと書かれています。FaceTime や WhatsApp などのアプリならデータ通信で iPad に電話がかかってきますし、iPhone が近くにあれば、iPhone への着信を iPad で鳴らすこともできます。

データ専用の旅行用 eSIM がぴったり合うのは、ここです。Atli はデータ専用なので、スマホでは通話と SMS のためにいつもの SIM を並べてオンにしておきます。mini には、そうやって残しておく自分の回線がありません。
Apple の iPad 向け eSIM のページには iPad に eSIM を 8 つ以上保存できるとあり、ユーザガイドには一度に使えるのは 1 つだけとあります。国内の通信事業者で iPad 用のプランをすでに契約していても、そのプランと旅行用 eSIM は並べて入れておけます。使うプランは、「設定」>「モバイルデータ通信」で「SIM」の下に並ぶ一覧からタップして選びます。
iPad mini に旅行用 eSIM を入れる方法
- モデルを確認する。 「設定」>「一般」>「情報」を開きます。「モデル番号」の右側に出ているのは部品番号で、タップするとモデル番号に切り替わります。A3596 か A3597 なら、セルラーモデルです。
- プランを買い、自宅の Wi-Fi でインストールする。 インストールにはインターネット接続が必要で、到着してから空港の Wi-Fi で試すのは心もとないからです。Atli のプランは、WhatsApp と Telegram のチャット、heyatli.com、Atli アプリで販売しています。Atli アプリは App Store から無料でダウンロードでき、iPad でも使えます。A3597 を持って中国本土から出発するなら、eSIM は自宅ではなく、中国本土を出たあとにホテルの Wi-Fi でインストールしてください。
- QR コードを iPad で読み取る。 スマホのチャットで QR コードを開き、iPad でカメラアプリを開いて QR コードに向け、「モバイル通信プランが検出されました」の通知をタップします。「設定」>「モバイルデータ通信」>「その他」のスキャナでも読み取れ、2 台目の画面がないときは、代わりに SM-DP+ アドレスとアクティベーションコードを入力することもできます。すでにプランが入っている iPad では、「新規プランを追加」をタップし、画面に表示される指示に従います。
スマホのチャットにあるインストールボタンは押さないでください。このワンタップのボタンは押したその端末に eSIM をインストールするもので、一度入った Atli の eSIM は別の端末に移せません。

到着したら
「設定」>「モバイルデータ通信」を開きます。「SIM」の下にある Atli のプランをタップして使用中のプランに切り替え、「モバイルデータ通信」がオンになっているか確認します。続けて「モバイルデータ通信のオプション」を開き、「データローミング」をオンにします。Atli は海外で提携先のネットワークを使うので、ローミングはオンにしておく必要があります。そのぶんのローミング料金を Atli が上乗せすることはありません。APN は自動で設定されます。
プランが始まるのは iPad がプランの対象の国や地域でネットワークに初めて接続したときなので、出発の何日も前にインストールしておけます。チャットで data と入力すると、接続の期限日が表示されます。その日までに始まらなかったプランは失効します。
残りのデータ量は、プランを買った WhatsApp か Telegram のチャットで data か usage と入力するか、Atli アプリを開けばわかります。iPad 自体にも「モバイルデータ通信」の画面に使用量の記録があり、どのアプリが使ったかを確認できます。両方のやり方はeSIM のデータ使用量を確認する方法で説明しています。
古い iPad から乗り換えるとき
Apple の「iPad用プランを転送」は、通信事業者が対応していれば、古い iPad のプランを新しい iPad に移す機能です。Atli の eSIM は、これでは移せません。Atli の eSIM は最初にインストールした端末から動かないので、新しい mini には新しいプランが必要で、そのプランには新しい eSIM が付いてきます。古い iPad で使い残したデータはそちらに残ったままになるので、その iPad を初期化したり売ったりする前に使い切ってください。この先 mini 用に買うプランはすべてその eSIM に追加され、新しくインストールするものはありません。
Wi-Fi モデルを買った場合
Wi-Fi モデルの mini は、海外ではスマホ経由でインターネットにつなぎます。旅行用 eSIM はスマホに入れ、インターネット共有をオンにします。2 台が同じ Apple Account にサインインしていれば、iPad はパスワードなしでつながります。iPhone と Android の手順は、eSIM をホットスポットとして使う方法にまとめています。
これで、1 つのプランで 2 台がつながります。Atli はテザリングに追加料金を設けていませんが、iPad が使ったデータはすべてスマホのプランから差し引かれます。Atli の無制限プランでは、テザリングの通信も、そのプランの 24 時間ごと 3 GB の高速データ枠にカウントされます。また、iPad はスマホの Wi-Fi が届く範囲から離れられません。
セルラーモデルの mini なら、自分の回線をインターネット共有でノートパソコンに分けることもできます。Apple は、インターネット共有を利用できない通信事業者もあると注記しています。
出典は Apple の iPad mini 技術仕様のページ、プレスリリース、iPad のサポートページで、2026 年 10 月 31 日に確認しました。価格はアメリカでの発売時の価格です。



